認知症の利用者に嫌われていた話
こんにちは!介護福祉士の鮭です!
今年で僕は介護職10年目なのですが、実は最初の数年間は本当に認知症の方の対応が下手くそでした。
入居してくる認知症の利用者さんに尽く嫌われるのです…
今回はそんな過去についてお話したいと思います。
認知症利用者さんに嫌われていた過去
僕は21歳で専門学校を卒業して、新たに開設される特養のオープニングスタッフとして就職しました。
経験も無いので右も左も分かりません。
そんな中、正職という理由だけでユニットリーダーに任命されます。笑
周りは何年もの経験のある先輩ばかり…
当然何も分かってないペーペーのクソガキがいきなり上司になる訳ですから皆さん心中穏やかでは無かったでしょう。笑
ことある事に文句を言われ、常に監視の目が光っていました。
1ミリのミスも許されない、他のスタッフに迷惑を掛けられない…そんな思いで業務をこなす日々。
ところがどっこい認知症の利用者さんはそんな事お構い無し。毎日奇想天外波乱の連続!!弄便!!転倒!!徘徊!!笑
スムーズに業務が進むはずもありません。
それでも光る監視の目…
「リーダーのくせにそんな事もできないの?」
「介護向いてないんじゃない?」
リアルに言われた言葉です。
そのうち認知症の対応をするのが怖くなり相手がアクションを起こす前に
「危ないから座ってて!!」
「今は〇〇をしてください!!」
利用者さんを抑制するような声掛けをしてしまうようになってしまいます。
当時の僕はそれが悪い事だという意識も持てないくらい追い込まれてました。
それが認知症の利用者さんの安全な暮らしの為だとすら思っていたのです。
このままじゃいけない
そんな毎日を過ごしていたある日、施設長とケアマネジャーに呼び出されます。
「鮭君、あなたに苦情が出ていてね…。あの人は怖い、うるさいって言われているよ。どういう事??」
僕は衝撃を受けました。
一生懸命利用者さんの事を思ってケアをしていたはずが恐怖を与えていたなんて。
おじいちゃんおばあちゃんが好きでこの仕事に着いたはずなのに、いつの間にか利用者さん達を1人の人としてでなく、介護の対象者としてしか見ていなかった。
全て自分中心のケアだったことに、その時ようやく気づいたんです。
対策
そこからはとにかく認知症の勉強をやり直しました。
認知症が病気であること、病気が様々な行動を誘発している事を再認識する為です。
徘徊だって弄便だってその人なりの意味がある行動だと分かれば、苛立つ心も抑えられます。
そして何より大切にしたのが今まで以上に認知症の利用者に関わること。
僕が試した中で1番良かったと思ったのは、その方の昔の写真を一緒に眺めることです。
子供の時、ご両親に大事そうに抱えられた写真。
働き盛りの時の写真。
我が子を嬉しそうに抱く写真。
それを楽しそうに眺める利用者さんの姿。
何か一気に距離が縮まる気がしたんです。
今でも時々やってますがその度にめっちゃウルウルなります。笑
人生って素晴らしいよね!!
まとめ
そんなこんなで今では認知症利用者さん大好きです!
あの時の先輩スタッフ達は全滅したので(笑)あの頃よりは入居者さんに寄り添った介護が出来ていると思います!
こんな経験を経て、今もユニットリーダーとして働いていますが新人さんが入ってくるといつも言っている事があります!
「最初は業務を上手く回そうなんて思わなくていい。まずはその人自身を見つめて下さい!ここいる全員が誰かの大切な人なんです!」
じゃまたよろしくです!